プレスリリース要約

ヤマハは、120年以上前の博覧会に出品され、後に皇室へと渡った貴重な初期国産グランドピアノの修理事業を完了しました。東京藝術大学大学院との産学連携により、日本の楽器産業黎明期の技術を現代に蘇らせたこのプロジェクトは、文化遺産継承と企業ブランディングの新たな形を示しています。

今回修理が完了したのは、1902年(明治35年)頃に日本楽器製造(現ヤマハ)によって製造された初期のグランドピアノです。このピアノは1903年の「第五回内国勧業博覧会」に出品された後、昭憲皇太后が購入し貞明皇后へ贈られたという極めて高い歴史的価値を持っています。2022年には東京都港区の有形文化財に指定されました。黒漆塗に金平蒔絵が施された外装や、菊唐草模様の金属フレームなど、現代のピアノには見られない当時の意匠が随所に凝らされているのが特徴です。

修理は2024年4月から約2年をかけて行われ、ヤマハと東京藝術大学大学院がそれぞれの専門性を活かして連携しました。文化財修理の原則である「現状保存修理」に基づき、演奏可能な状態への復元ではなく、当時の部品や部材を可能な限り維持する方針が採られました。漆塗りや蒔絵の処置は東京藝術大学が、響板やアクションなどのクリーニングおよび木部の補修はヤマハが担当。接着剤にも天然由来のものを使用するなど、明治期の技術情報を損なわないよう細心の注意が払われました。

PR Times掲載画像
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Journalポイント

編集部

実はこれ、単なる修理ではなく「現状保存修理」という、当時の情報を一切消さないための非常にストイックな作業なんです。

え、そうなんですか?普通はピアノなら、また綺麗な音で弾けるようにピカピカに直すものだと思っていました。

読者
編集部

実は今、産業遺産の世界では「情報の保存」が最優先されるんです。部品を新しくしてしまうと、120年前の技術資料としての価値が失われてしまうからですね。

でも、それってもともと楽器ですよね?音が出ない状態でも、修理したと言えるのでしょうか?

読者
編集部

良い質問です。今回は「歴史資料」としての修復なので、接着剤も当時と同じ天然由来のものを使うなど、徹底して明治時代の状態をキープすることにこだわっています。

なるほど!じゃあ、ヤマハの今の技術者が、120年前の先輩職人と対話するようなプロジェクトだったってことですか?

読者
編集部

その通りです。東京藝術大学の保存修復のプロと、ヤマハのピアノ製造のプロが組むことで、美術品としての価値と楽器としての構造の両面からアプローチできたわけです。

他の会社も、自社の古い製品をこんな風に大切に守っているんですか?

読者
編集部

実は業界全体が「ブランド・ヘリテージ」の活用へシフトしていて、自社の歴史を資産として定義し直す動きが強まっているんですよ。

なるほど、歴史があること自体が、その企業の信頼性やブランド価値に直結する時代なんですね。勉強になりました!

読者
ヤマハ株式会社 ニュース要点の図解

ヤマハ株式会社

代表
山浦 敦
所在地
静岡県浜松市中央区中沢町10番1号
URL
www.yamaha.com/ja

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