プレスリリース要約
バイオAIスタートアップのCraifは、尿中マイクロRNAを用いた肺がんの早期発見および術後の再発リスク予測に関する共同研究成果を、米国がん研究協会年次総会(AACR 2026)で発表しました。採血や通院を必要とせず、尿のみで高精度な診断と予後予測を両立する技術として、ヘルスケア業界から強い関心を集めています。
今回の発表は、東京慈恵会医科大学および市立東大阪医療センターとの共同研究によるものです。研究では、肺がん患者278名と非がん対照213名の計491名を対象に、尿中エクソソームに含まれるマイクロRNAを解析し、機械学習を用いた診断モデルを構築しました。その結果、診断精度(AUC)は0.941、ステージ0/Iの早期がんにおける感度は88.2%、特異度は87.0%という極めて高い数値を達成。さらに、このモデルは年齢や性別、喫煙歴などの背景因子に影響されないことも実証されています。
さらに本研究では、ステージI〜IIの外科切除例76名を対象に、術前の尿を用いて術後の再発リスクを予測するモデルも構築しました。特定の3種類のマイクロRNAを用いた予後予測パネルにより、再発の高リスク群と低リスク群をハザード比8.3(高リスク群が約8倍再発しやすい)という有意な差で層別化することに成功しています。これにより、1回の尿採取だけで「早期発見」と「再発リスク評価」を同時に実現する「Single-assay concept」の可能性が示されました。
Journalポイント
実はこれ、自宅で採尿するだけで、肺がんの早期発見だけでなく、手術後の再発リスクまで約8倍の精度で予測できてしまう技術なんです。
え、尿だけでそこまで分かるんですか? 肺がんの検査って、レントゲンやCTを撮らないといけないイメージでした。
そうですよね。従来の画像検査は通院が必要ですし、早期がんを見落とすこともあります。そこで Craif は、尿中に含まれる「マイクロRNA」という微小な物質に注目し、がん特有の変化を検出する研究を進めてきたんです。
マイクロRNAって初めて聞きました。でも、尿の成分ってその日の体調や年齢で変わりやすいんじゃないですか?
鋭い指摘ですね!今回の研究では491名のデータを解析し、機械学習のモデルを用いました。その結果、年齢や性別、喫煙歴などに左右されず、早期がんを88.2%という高い感度で判定できることが実証されたんです。
機械学習、つまり AI が使われているんですね。でも、術後の再発リスクまで予測できるのはなぜですか?
AIというのは人工知能のことで、大量のデータから自動でパターンを学習し予測する技術です。今回は、術前の尿に含まれる特定の3種類のマイクロRNAの発現パターンを分析することで、再発しやすいグループを正確に見分けることに成功したんですよ。
すごいですね。他のバイオスタートアップでも、同じように尿を使ったがん検査の開発は進んでいるんでしょうか?
はい、世界中でリキッドバイオプシーと呼ばれる体液検査の開発競争が激化しています。その中でも、独自の解析基盤「NANO IP®︎」を持つ Craif は、非侵襲で高精度な検査を提供できる強みを持っています。
尿検査だけでがんのリスクがここまで可視化されるなら、予防医療のあり方が大きく変わりそうですね。勉強になりました!


