プレスリリース要約
株式会社DroRは、組織変革が時間の経過とともに元の状態へ回帰してしまう現象を理論化した「臨床組織科学(COS)」を国際学術誌で発表しました。1on1などの施策が一時的な変化に留まる理由を、個人の行動変容ではなく「組織の相互作用構造」の観点から解き明かし、新たな変革アプローチを提示しています。
複雑系科学や神経科学を基盤に組織の相互作用構造を研究する株式会社DroRは、国際学術誌『Frontiers in Psychology』にて論文を発表しました。本論文では、組織変革において一時的な改善が見られても、時間の経過とともに従来のパターンへ逆戻りする現象を「臨床組織科学(COS)」の観点から理論化しています。COSは、組織の安定状態を「能動的に再生産される動的状態」として再定義し、変革を個人の意識改革ではなく、組織内の相互作用のパターンを遷移させるプロセスとして捉える新しい学術的アプローチです。
従来の組織開発では、変革が定着しない原因を「個人の意識不足」や「リーダーシップの欠如」に求めがちでした。しかし、COSでは、会議での発言分布やフィードバックの循環、日常的な確認応答といった「見えない相互作用構造」そのものが古いパターンを再生産していると指摘します。本理論では、個人の習慣化と組織全体の変化を繋ぐ「創発の橋(emergence bridge)」などの概念を提唱し、心理的安全性を文化ではなく構造的条件として、フィードバックを対人スキルではなく循環構造として再配置する3つの転換を提示しています。

Journalポイント
実はこれ、組織が「元に戻る」のは、現場の怠慢や熱意不足が原因ではなく、組織というシステムが全力で元の安定状態を能動的に再生産しているからなんです。
え、そうなんですか?元に戻るのは、社員のモチベーションが下がったり、変革に反対しているからだと思っていました。
多くの企業で「意識改革」や「行動変容」が叫ばれますが、実は日々の会議の進め方やフィードバックの習慣といった相互作用構造が古いパターンのままだからなんです。
でも、それってもともと個人のコミュニケーション能力や、組織のカルチャーの問題じゃないんですか?
カルチャーというのは組織内の共通の価値観や行動パターンのことで、COSではこれを結果として捉えます。たとえば、特定の人が発言し他が沈黙するような発言分布という構造そのものを変えなければ、意識だけを変えようとしても元の状態に戻ってしまいます。
なるほど!じゃあ、人気の1on1や心理的安全性の施策をただ形だけ導入しても、その構造が変わらなければ意味がないってことですか?
その通りです。個人のスキル向上だけでなく、批判や修正、承認が組織内でどのように循環するかというサイバネティック・アーキテクチャを設計し、戻ろうとする安定状態そのものを遷移させる必要があります。
サイバネティック・アーキテクチャって難しそうですね。他の会社でも、こうした構造に着目した変革の動きはあるのでしょうか?
サイバネティック・アーキテクチャというのは情報のフィードバックと制御の循環構造のことで、組織においては意見や修正がどう巡るかを示します。実は業界全体が、組織を機械のように管理するのではなく、自律的に動く複雑適応系として捉え、構造から変革する方向へシフトし始めています。
組織をシステムとして捉え直すことで、力任せではない、自然で持続的な変革が可能になるのですね。非常に勉強になりました!

株式会社DroR

- 代表
- 山中真琴
- 所在地
- 東京都渋谷区恵比寿西2丁目4番8号 ウィンド恵比寿ビル8F
- URL
- dror.co.jp
