プレスリリース要約
ほくほくフィナンシャルグループの北海道銀行は、エネルギーテックのSustechと連携し、バーチャルPPAを活用した脱炭素化の推進を発表しました。北海道に本店を置く金融機関としては初の試みであり、地方企業のサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)を牽引する事例として注目を集めています。
ほくほくフィナンシャルグループ(ほくほくFG)は、2030年度までに自社の温室効果ガス(GHG)排出量を実質ゼロにする目標を掲げています。今回の取り組みは、ほくほくFGがSustechと締結したバーチャルPPA契約に基づき、再エネ由来の環境価値を取得するものです。Sustechが国内で開発・運営するFIP発電所で創出した環境価値をほくほくFGに譲渡し、そこから北海道銀行に対して、同行の消費電力量に応じた環境価値が割り当てられます。これは地域をまたいで環境価値が循環する先進的なスキームの第2号案件となります。
バーチャルPPAは、再生可能エネルギーの「電気」と「環境価値」を切り離して取引する仕組みです。この方式の最大のメリットは、物理的な電力供給を伴わないため、企業が既存の電力契約を変更することなく、実質的な再エネ導入を完了できる点にあります。さらに、自社での大規模な太陽光パネル設置などの設備投資が不要であり、中長期的な電力の価格変動リスクを抑制しながら、迅速かつ効率的に脱炭素化(カーボンニュートラル)を推進できる点が、多くの事業者にとって魅力的な選択肢となっています。


Journalポイント
実はこれ、送電線を通した物理的な電気のやり取りを一切行わない、全く新しい脱炭素の形なんです。契約変更の手間もありません。
え、電気をやり取りしないんですか?それってどういうことですか?電気を使わずにどうやって脱炭素化するのですか?
従来の再エネ導入は、発電所から直接電気を引っ張る必要があり、設備投資や契約の切り替えが大きな負担でした。そこで、電気自体は既存の送電網から買い、再エネが持つ『環境価値』だけをペーパー上で取引する仕組みが生まれたんです。
でも、それってもともと普通の電気を使っているのと変わらないんじゃないですか?本当にエコと言えるのでしょうか。
確かに使っている電気自体は同じですが、FIP発電所という新しい再エネ発電所を支援し、その環境価値を買い取ることで、世の中に新しい再エネを増やす『追加性』という大きな貢献ができるんです。
なるほど!じゃあ、自社に太陽光パネルを置くスペースがなくても、再エネ普及に貢献できるってことですか?それは便利ですね。
その通りです。数字で言うと、ほくほくFGは2030年度までにGHG排出量実質ゼロを目指していますが、この仕組みなら、設備投資なしで一気に脱炭素化のペースを加速させることができます。
先ほど出てきたFIP発電所というのはどういうものなのですか?普通の再エネ発電所とは何が違うのでしょうか。
FIPというのはフィード・イン・プレミアムの略で、再エネの発電事業者が市場価格にプレミアムを上乗せして電気を販売する制度のことで、この制度を利用した発電所から生まれる環境価値を安定的に取引することで、双方が価格変動リスクを抑えられるメリットがあります。
なるほど、自社でも検討の価値がありそうですね。今後の脱炭素戦略を考える上で、大変勉強になりました!


