プレスリリース要約

帝国データバンクの調査によると、2025年度の印刷業の休廃業・解散が230件と過去最多を記録しました。デジタル化によるペーパーレス化の進展に加え、資材高騰や人材難という「三重苦」が背景にあります。従来の大量印刷モデルからの脱却を迫られる同業界の動向は、他業界の経営者にとっても見逃せない示唆に富んでいます。

帝国データバンクの調査によると、2025年度における印刷業の休廃業・解散(廃業)は前年度比18.6%増の230件にのぼり、年間で最多を更新しました。これに負債1,000万円以上の法的整理による倒産91件を加えると、年間で300件を超える印刷業者が市場から退出したことになります。かつて「情報を広く安く伝える」役割を担ってきた印刷業界ですが、インボイス制度の導入による帳簿印刷の減少や、アプリ・SNSの普及に伴うチラシ・DMの需要急減といった「紙需要の消失」が、企業の経営体力を激しく削ぐ要因となっています。

市場縮小が進む一方で、原材料である印刷用紙やインク、さらに電気代や物流費、人件費といったあらゆるコストが高騰しています。しかし、受注減少を恐れる中小企業がコスト上昇分を販売価格に転嫁できず、利益の出ない受注が常態化しているのが実情です。さらに、かつての「巨額の設備投資による大量印刷・低コスト化」を前提としたビジネスモデルが、稼働率低下によって重い投資負担へと変化。本業の落ち込みをカバーしようと、自社と関連の薄い異分野へ参入して資金を消耗し、廃業に追い込まれるケースも散見されます。

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Journalポイント

編集部

実はこれ、単なる紙の減少による影響だけではなく、過去の成功体験だった大量印刷・低コスト化モデルそのものが、構造的な行き詰まりを迎えていることが本質なんです。

え、そうなんですか?単に新聞の折り込みチラシがスマホの広告に取って代わられた、というだけのシンプルな問題ではないということですか?

読者
編集部

実は今、印刷需要の減少に伴って、過去に導入した高額な大型印刷機械の減価償却費が重い足かせになっているという課題があります。稼働率が下がったことで、投資負担だけが経営を圧迫しているのです。

底に潜む構造的な問題ですね。でも、巨額の設備投資による大量印刷というのは、競合他社に対して圧倒的な価格競争力を生み出すための、もともとは最大の強みだったはずですよね?

読者
編集部

その通りです。しかし市場縮小が想定を超えており、数字で言うと印刷業界全体の売上高はピーク時の約7割の水準にまで落ち込んでいます。例えば、食品包装材の大手印刷会社でも、この設備投資の負担に耐えかねて再建を断念するケースが出ています。

なるほど!設備が大きすぎるがゆえに、需要の急減に対応できなかったのですね。ということは、これからの印刷会社は紙を諦めて、一気にDXを推進していくしかないのでしょうか?

読者
編集部

DXというのは「デジタルトランスフォーメーション」のことで、デジタル技術を用いて業務やビジネスモデルそのものを変革することを指します。まさにその通りで、Web制作や動画、AR技術などを活用したデジタルソリューション営業へ転換する動きが本格化しています。

なるほど。でも、すべての印刷会社がそんなデジタル分野にスムーズに移行できるわけではないですよね。他にはどのような生存戦略があるのでしょうか?

読者
編集部

実は業界全体が、ライバル減少による残存者利益の獲得や、インバウンド拡大で活況な土産物のパッケージ印刷といった、局地的な成長ニッチ市場へシフトしつつあります。自社の強みを再定義して、紙に固執しない柔軟な戦略が求められています。

単にデジタル化を嘆くだけでなく、自社の強みを再定義してニッチな需要を攻めることが生き残りの鍵なんですね。大変勉強になりました!

読者
株式会社帝国データバンク ニュース要点の図解

株式会社帝国データバンク

代表
後藤 健夫
所在地
東京都港区南青山2-5-20
URL
www.tdb.co.jp/index.html
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