プレスリリース要約
ローランド・ベルガーが実施した「上場企業CxO・経営企画責任者への意識調査」により、好業績企業と業績不振企業における人材育成の決定的なアプローチの差が明らかになりました。制度の導入にとどまらず、個人の状況に合わせたカスタマイズや管理職の深い関与といった「運用の質」が、企業の競争力を左右しています。
欧州最大級の経営コンサルティングファームである株式会社ローランド・ベルガーは、日本の上場企業CxOおよび経営企画責任者200人を対象に、人材の育成・活用に関する意識調査を実施しました。本調査では、競合と比較して売上成長率が「良い」と回答した企業を好業績企業、「悪い」と回答した企業を業績不振企業と定義し、両者の取り組みを比較分析しています。その結果、基本的な研修やスキルの棚卸といった制度自体には大きな差がないものの、データ活用や個別カスタマイズ、管理職による育成への関与といった「一歩踏み込んだ運用」において、好業績企業と不振企業との間に顕著な差があることが判明しました。
調査結果のポイントとして、従業員の「働きやすさ」をコストではなく業績のドライバーと捉える姿勢が挙げられます。好業績企業は、勤務地の柔軟化や個人の状況に合わせた人員配置など、従業員の「働き方」「働く意味/意義」「働く環境/基盤」にまつわるニーズの充足を重視しています。特に、データやAIの活用、全社的なスキル需要評価、管理職による育成プロセスへの積極関与の3項目において、好業績企業の実施率は業績不振企業の3倍以上という圧倒的な差が開いており、制度の有無ではなく「個人の変化を実感できる柔軟な運用」が企業の成長を支える土台となっている実態が浮き彫りになりました。


Journalポイント
実はこれ、制度の「導入」ではなく、一人ひとりに合わせた「カスタマイズ運用」ができているかどうかが、企業の業績を左右しているという話なんです。
え、そうなんですか?大企業ならどこでも研修やスキルの棚卸しといった制度は整えているイメージがありますが、それでも差が出るんですね。
おっしゃる通り、基本的な「スキルの棚卸」や「全社研修」の導入率自体は、好業績企業も不振企業も変わりません。しかし、それを「データやAIの活用」や「管理職の育成関与」まで落とし込めているかで大きな差がついています。
でも、それってもともと人事部が主導して全社一括で進めるべき仕事じゃないんですか?
そこが落とし穴なんです。好業績企業では、現場の管理職が育成プロセスに積極的に関わっています。さらに、データを使って「全社横断のスキル需要評価」を行い、適材適所の配置を個別に行っているのです。その実施率は不振企業の3倍以上に上ります。
なるほど!一律の研修ではなく、個人の状況に寄り添って、現場のリーダーがコミットすることが重要なんですね。
その通りです。また、好業績企業は従業員の「働きやすさ」をコストではなく、業績を高めるための「業績ドライバー」と位置づけています。勤務地の柔軟化や、個人の家庭環境に応じた役割の適正化など、実態を伴う変化を提供しているのが特徴です。
確かに、自分の都合に合わせて柔軟に働ける環境があれば、モチベーションも上がりますね。でも、そういう個別対応を徹底するのって、管理職への負担も大きそうです。KPIとかで管理するのも難しくないですか?
KPIというのは「重要業績評価指標」のことで、目標達成度を測るための定量的な指標のことです。この点について、ローランド・ベルガーの田村氏は「社員が変化を実感できているか」自体を評価指標に据えるべきだと指摘しています。人事と現場がプロアクティブに連携する体制づくりが必要です。
業界全体がそういう「個に寄り添う運用」へシフトしているのですね。制度の絵を描くだけでなく、魂を込めて運用することの大切さがよく分かりました!

株式会社ローランド・ベルガー

- 代表
- 大橋譲
- 所在地
- 東京都港区虎ノ門2-6-1 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 35階
- URL
- www.rolandberger.com/ja/Japan.html
