プレスリリース要約
一般社団法人 Nyx Foundationは、AIエージェント専用のEthereum Layer 2「Eris」の開発を開始したと発表しました。急拡大するDeFiやRWA市場におけるセキュリティ脆弱性を、AIエージェント同士の動的なシミュレーションを通じて事前に検知・対策する、新たな公共財インフラとして注目を集めています。
一般社団法人 Nyx Foundationが開発に着手した「Eris」は、AIエージェントによる敵対的金融シミュレーションに特化したEthereum Layer 2(L2)ネットワークです。あわせて、Eris上でAIエージェントを競わせる経済コンペティション「ASCON」の第1回開催(2026年Q4予定、賞金総額3万米ドル)に向けたスポンサー募集を2026年5月14日より開始しました。従来のセキュリティ監査では捉えきれなかった、流動性提供やアービトラージなどの相互作用から生じる「動的脆弱性」を、実環境に近いL2上で継続的に検証できる環境を構築します。
Erisは汎用L2とは異なり、登録済みのAIエージェントのみが取引可能な「Agent-only環境」や、意図的に市場ショックを発生させる「シナリオエンジン」を備えています。参加者はTrader(収益性確保)、Hacker(攻撃)、Verifier(防御・検証)の役割を持つAIエージェントを提出し、実コントラクトを用いた競争を通じてプロトコルの安全性を検証します。コンペで優秀な成績を収めたエージェントはネットワークに常駐し、次回以降の「仮想敵」として機能し続けるため、回を重ねるごとにシステムの防御力が向上していく設計となっています。


Journalポイント
実はこれ、AIエージェント専用のL2という、これまでにない全く新しいアプローチでWeb3のセキュリティを根本から変えようとする試みなんです。
え、そうなんですか?AIエージェント専用のL2って、人間のハッカーが検証するのと何が違うんですか?
L2というのはメインのブロックチェーンの処理を高速化するネットワークのことで、今回はAI専用に構築されています。Erisは認証されたAIだけが取引できる環境となっており、人間が介在しない純粋なエージェント同士の相互作用を、超高速かつ継続的にシミュレーションできます。
でも、それってもともとプログラムによる自動テストなどで、事前にある程度は確認できるものではないんですか?
従来のテストは単発かつ静的です。2025年だけで34億ドル超の暗号資産が盗難に遭っていますが、その多くは複数の取引が相互作用して初めて発生する動的な隙を突かれたものです。Erisは実コントラクトと実報酬を用いて、本物の市場に近い競争環境でリスクを浮き彫りにします。
なるほど!ということは、AIに本物のハッカーやトレーダーのような複雑な動きをさせて、事前にシステムの動的な弱点を見つけ出すということですか?
その通りです。コンペの「ASCON」では、Trader、Hacker、Verifierという役割のAIが競い合います。攻撃役が仕掛けた罠を、防御役がどう検知するかをテレメトリ(市場データ)として可視化し、システムの安全性を実践的に評価できる仕組みです。
他のセキュリティ企業やWeb3のプロジェクトでも、似たような検証シミュレーションに取り組んでいるところはあるんですか?
静的なコード監査を行う企業は多いですが、永続的なAIエージェントの競争環境をL2として提供する例は極めて稀です。業界全体がRWA(実物資産)のトークン化など数兆ドル規模の市場拡大へシフトする中、こうした動的検証は必須のインフラになると見られます。
なるほど、AIとブロックチェーンを掛け合わせることで、Web3の安全性を高める新しい試みなのですね。勉強になりました!

一般社団法人 Nyx Foundation

- 代表
- 鳥越一平
- 所在地
- 東京都 文京区 本郷6丁目26番10号本郷ニューハウジング 本郷ニューハウジング202
- URL
- nyx.foundation
