プレスリリース要約
ベクター・ジャパンは、同社の開発・テスト用プラットフォーム「CANoe」が第三者機関TÜV SÜDによる安全認証を取得したと発表しました。自動車や医療、鉄道といった高い安全性が求められる分野において、開発ツールの認定にかかる膨大な工数や監査準備の負担を劇的に削減する動きとして注目を集めています。
ドイツのVector Informatikが開発する「CANoe」およびその関連製品が、第三者認証機関であるTÜV SÜDから安全認証を取得しました。この認証は、基礎規格であるIEC 61508をはじめ、自動車向けのISO 26262、医療技術向けのIEC 62304、鉄道分野のEN 50716といった各業界の厳格な安全規格に準拠していることを証明するものです。これにより、安全関連システムの開発において、CANoeを「T2分類」のオフライン支援ツールとして信頼して使用できる環境が整いました。
今回の認証範囲は、CANoeのコア機能である通信フローの解析、仮想・実システムの自動テスト、シミュレーション、診断、フォールトインジェクション(擬似障害注入)など広範囲に及びます。対象製品は「CANoe」「CANoe MedTech」およびそれぞれのサーバーエディションの計4製品。自動車用安全度水準(ASIL)や安全度水準(SIL)のすべてのレベルに対応しており、開発企業はツール自体の妥当性検証に要していた膨大なエビデンス作成の手間から解放されます。


Journalポイント
実はこれ、安全性が命とされる最先端の製品開発において、開発期間を数ヶ月単位で短縮できる可能性を秘めた非常に大きなニュースなんです。
え、ツールの認証がそんなに影響するんですか? 開発ツールなんてどれを使っても同じだと思っていました。
実は今、自動運転や医療機器といった人命に関わるソフトウェア開発では、開発に使用するツールそのものがバグを起こさないかを証明するツール認定という、非常に手間のかかるプロセスが義務付けられているんです。
安全性を100%保証してくれているわけではないのですか?
そうなんです。これまでは開発企業が自前で膨大なテストデータを作り、監査に耐える書類を用意していました。今回の認証で、そのプロセスを丸ごとスキップできるようになります。
なるほど!自動車の安全基準である ASIL や、医療技術、鉄道など、厳しい規制がある分野の製品を開発するときに役立つということですね?
ASILというのは、自動車の機能安全規格で定められた、ハザードのリスク度合いを示す指標のことです。今回の認証により、このASILの全レベルにおいてCANoeをそのままテストに活用できるようになり、監査向けの書類作成工数が劇的に削減されます。
ツールの安全性を証明するだけでそこまで大変なら、他社の開発ツールも同じように最初から認証を取得しているのではないですか?
実は業界全体がソフトウェア定義(SDS)へシフトする中で、ツールの安全性評価はますます厳格化しています。ベクターのように、主要な安全規格のすべてで第三者認証を事前に取得しているケースは、競合に対する非常に強力なアドバンテージになります。
開発のスピードと安全性を両立させるために、ツール選びから戦略的に考える必要があるのですね。勉強になりました!


