プレスリリース要約
株式会社エムティーアイと国立成育医療研究センターは、月経管理アプリ『ルナルナ』のデータを用いた約7,000人規模の共同研究により、PMSやPMDDが月経症状の重さだけでなく、睡眠不足やワークライフバランスの悪化、ヘルスリテラシーの低さといった心理社会的・行動的要因と深く関連していることを明らかにしました。
本研究は、月経管理アプリ『ルナルナ』の利用者約7,000人のコホートデータを用い、月経前症候群(PMS)および月経前不快気分障害(PMDD)に関連する背景因子や心理社会的要因を包括的に評価した大規模解析です。解析の結果、対象者のうちPMSが23%、PMDDが10%にのぼることが分かりました。これらの症状は、単なる月経前の一時的な不調にとどまらず、現在・過去の喫煙習慣や、低いヘルスリテラシー、ストレスへの望ましくない対処(不適応的ストレスコーピング)といった行動要因と有意に関連していることが明らかになりました。
さらに、心理的苦痛の高さや睡眠の質の低下、仕事と家庭の相互作用といった「ワークライフバランスの悪化」とも強い関連が見られました。具体的には、PMSでは高リスク飲酒との関連が、PMDDでは婚姻歴や同居する子どもの存在との関連が示唆されています。また、これらは月経前だけでなく、月経期間中の症状負担の重さとも連動していました。このように、女性の健康課題が個人の生理現象だけでなく、生活環境や心理社会的ストレスと密接に結びついている実態が、デジタルデータを通じて定量的に示された形です。

Journalポイント
実はこれ、PMSやPMDDといった不調が、単なる「ホルモンの乱れ」だけでなく、睡眠や働き方、ストレスへの対処法といった日常の生活背景と深く結びついていることがデータで証明されたんです。
え、そうなんですか?生理前のイライラや体調不良って、てっきり体質やホルモンバランスのせいだけで、本人の努力や環境ではどうにもならないものだと思っていました。
そう思いがちですよね。しかし、今回の『ルナルナ』を用いた大規模調査によって、ワークライフバランスの悪化や、ストレスに対する望ましくない対処法などが、不調をさらに悪化させている実態が見えてきました。
でも、それってもともと体調が悪いから、ストレスが増えたり仕事と家庭のバランスが崩れたりしている、という逆の因果関係ではないんですか?
鋭い指摘です。今回の研究は観察研究なので直接的な因果関係までは断定できませんが、たとえばヘルスリテラシーが高い人ほどPMSやPMDDに該当する割合が低いという、興味深いデータも出ています。
なるほど!ヘルスリテラシー、つまり健康に関する正しい知識を持って対処できれば、症状を和らげられる可能性があるということですか?
ヘルスリテラシーというのは、自分自身の健康情報を正しく理解し、活用する能力のことです。これがあることで、不調に対して適切なセルフケアや医療機関への受診を選択でき、結果として深刻化を防げていると考えられます。
健康経営に取り組む企業にとっても、ただ休ませるだけでなく、正しい知識を学んでもらう研修などが有効になりそうですね。他社でもこうしたデータ活用は進んでいるのですか?
はい、ヘルスケア業界全体が「データを活用したパーソナライズ支援」へシフトしています。単一のサービスを提供するだけでなく、アプリのログデータを分析して、個人に合わせた最適な生活習慣の改善提案や受診勧奨を行う流れが強まっています。
なるほど、女性の健康支援は福利厚生の枠を超えて、データに基づいた経営戦略や生産性向上のための本質的な投資として捉えるべきなんですね。勉強になりました!


