プレスリリース要約
医療人材サービスを手掛けるエムステージは、医師470名を対象に「医療DX」に関する実態調査を実施しました。2026年度の診療報酬改定で医療DXが推進される中、現場ではデジタルツールの導入により「時短」は進むものの、約8割の医師が「患者と向き合う時間が増えていない」と感じている実態が明らかになりました。
調査結果によると、勤務先で医療DXの恩恵を十分に感じている医師はわずか1割にとどまり、約半数が「ほとんど進んでいない」と回答しました。一方で、デジタルツールの導入によって働きやすさが向上したと答えた医師は約6割に上り、事務作業の所要時間が短縮されたと回答した割合も約半数に達しています。しかし、その「時短」が患者との対話時間増加に結びついていると回答した医師は約2割にすぎず、ツールの導入だけでは患者と向き合う時間の創出に直結しにくいという、構造的な課題が浮き彫りになりました。
本調査を企画したエムステージは、延べ4万人以上の医師が登録する転職・アルバイト求人サイト「エムステージエージェント」を運営し、医師不足や過重労働といった医療業界の課題解決を目指す企業です。今回の調査では、医師がDXに求める本質的な役割として、約4割が「医師でなくてもできる業務のデジタル移譲」を挙げていることが分かりました。さらに、転職先を検討する際に「本来の専門業務に専念できる環境」を重視する医師は約9割に上り、医療機関の採用活動や人材定着において、DXによる業務切り分けが極めて重要な要素になっていることが示されています。


Journalポイント
実はこのニュース、単に「医療現場がデジタル化されていない」という話ではなく、手段の目的化が起きていることを示しているんです。
え、そうなんですか? ツールを導入して事務作業が減っているなら、一見するとDXは成功しているように思えますが……。
実は今、システムを入れて満足してしまい、医師の業務プロセスそのものを再設計できていないという課題があるんです。
でも、それってもともと医師の負担を減らすために導入したのではないんですか?
その通りです。しかし数字で言うと、事務作業が減った医師が約半数いる一方で、患者と向き合う時間が増えた医師は約2割にすぎません。
なるほど!じゃあ、浮いた時間は一体どこへ行ってしまったということですか?
調査では、創出された時間は「自身の休息やメンタルケア」、次いで「医学知識の学習」に充てたいという声が多く、医師の過酷な労働環境を補うために消費されているのが現状です。
医療DXを推進することで、他業界のように業務の効率化や採用力の強化にもつながるのでしょうか?
医療DXというのは、医療分野においてIT技術を活用し、業務プロセスや組織のあり方を変革することです。実は、今や約9割の医師が転職時に「専門業務に専念できる環境」を重視しており、DXによる環境整備が採用の決定打になりつつあります。
業務を切り離して医師を本来の仕事に集中させることが、選ばれる病院になる秘訣なんですね。勉強になりました!


