プレスリリース要約
岩崎電気、ソニーセミコンダクターソリューションズ、大阪大学は、青色面発光レーザー(VCSEL)を用いた新しい「位置分割レーザー照明装置」を共同開発しました。従来の可動ミラーを排除し、電気制御で必要な場所だけを照らすアプローチにより、工場や駐車場の劇的な省エネ化を目指します。
岩崎電気株式会社は、ソニーセミコンダクターソリューションズ株式会社および大阪大学レーザー科学研究所と共同で、「青色面発光レーザー(VCSEL)を用いた位置分割レーザー照明装置」を開発しました。本プロジェクトは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として2023年度から進められてきたものです。2026年4月に開催された光技術の展示会「OPIE'26」にて初めて実機が公開され、次世代の照明ソリューションとして注目を集めています。
開発された照明装置は、スマートフォンなどで実績のある「VCSEL」の2次元アレイと蛍光体を組み合わせた構造です。従来のレーザー照明で不可欠だった光の方向を物理的に変える「ガルバノスキャナミラー」を不要にし、電気的な制御のみで配光を分割・制御する仕組みを実現しました。目標仕様として光源出力4W、効率20%を掲げており、色温度は照明に適した4000〜5000Kを達成しています。工場や駐車場において、人感センサーと連動して必要なスポットだけを照らすことで、大幅な消費電力削減を可能にします。
Journalポイント
実はこれ、スマートフォンの顔認証などに使われている最先端の半導体技術を応用して、産業用照明の電気代を劇的に削減する画期的なアプローチなんです。
え、スマホの技術が照明になるんですか? VCSELって初めて聞きましたが、一体どういうものなんですか?
VCSELというのは「垂直共振器面発光レーザー」のことで、半導体チップの表面から垂直に光を出射する素子のことです。従来の照明は全体をぼんやり照らすしかなく、誰もいない場所まで光らせて電気代をムダにしているという課題がありました。
でも、それって今ある人感センサー付きのLED照明を使えば、すでに同じようなエリア消灯ができるんじゃないですか?
LEDだと光が広がってしまうため、特定の狭いスポットだけを狙って照らすのが難しいんです。今回の技術では、2次元アレイ状に並んだレーザーを電気的に制御することで、必要な1画だけをピンポイントで照射できます。
なるほど!光を極限まで絞って、必要なスポットだけを狙い撃ちするから、従来のLEDよりもさらに高い省エネ効果が期待できるというわけですね?
その通りです。しかも、従来は光の向きを変えるために「ガルバノスキャナミラー」という物理的に動く鏡が必要でしたが、今回はそれを排除し完全な電気制御にしました。可動部がないため、故障リスクも大幅に減らせます。
物理的な部品が減るのは工場にとって嬉しいですね。他の照明メーカーも同じような開発をしているんですか?
実は照明業界全体が、単なる省エネから「スマート配光」へとシフトしています。今回はソニーの半導体技術と大阪大学の学術的知見、そして岩崎電気の照明ノウハウが融合したことで、他社に先駆けた開発が実現しました。
技術の掛け合わせで新しい価値が生まれたんですね。これからの実用化がとても楽しみです、勉強になりました!


