プレスリリース要約
VPP(仮想発電所)プラットフォームを開発するShizen Connectが、シリーズAで27億円の資金調達と大手6社との資本業務提携を発表しました。今回の調達により、提携先は累計16社に拡大。エネルギー安全保障と脱炭素化の鍵を握るVPPのデファクト・スタンダード(事実上の業界標準)化を急ぎます。
株式会社Shizen Connectは、シリーズAラウンドの1stクローズとして第三者割当増資による約27億円の資金調達を実施し、BIPROGY、東京ガス、パナソニック、九州電力、東邦ガス、西日本鉄道の6社と資本業務提携を締結しました。さらに、前ラウンドの転換社債の株式化に伴い、北海道電力やJERA、ダイキン、ソラコムなど計10社が新たに株主に加わりました。これにより、同社グループ外からの累計資金調達額は32.6億円に達し、資本業務提携先は合計16社となっています。調達した資金は、エンジニア採用をはじめとする研究開発投資に充てられます。
Shizen Connectが提供する同名のプラットフォームは、系統用蓄電池や家庭用のデマンドレスポンス(DR)領域において国内市場シェア1位を獲得しています。家庭用蓄電池ではシェア80%、エコキュートではシェア97%のメーカー機器に対応しており、メーカーやエネルギー会社の垣根を超えた共同利用が可能です。今回の提携により、各提携企業は同社プラットフォームを共同利用することで自社の開発・運用コストを抑えつつ、系統用蓄電池やDR事業を迅速に展開できるようになります。インフラとしての規模拡大と標準化を同時に目指す構えです。


Journalポイント
実はこれ、日本の エネルギーインフラの勢力図 を一気に塗り替える可能性を補秘めた巨大な提携なんです。
すごい顔ぶれですよね。ところで、先ほど出てきた VPP って具体的にどういうものなんですか?
VPPというのはバーチャル・パワー・プラント、つまり仮想発電所のことで、家庭の蓄電池やEVなどをデジタル技術で繋ぎ、一つの大きな発電所のように機能させる仕組みです。実は今、再エネの出力制御、つまり発電した電気を捨てる無駄が発生しており、これを解決する調整力が必要とされているんです。
なるほど。電気を効率よく融通し合うわけですね。でも、それって各電力会社が自社でやればいい話ではないんですか?
それが難しいんです。例えば家庭用の蓄電池や給湯器はメーカーがバラバラですよね。数字で言うと、Shizen Connectは家庭用蓄電池で シェア80%、エコキュートで シェア97% のメーカーに対応しています。これを1社で開発するのはコストが膨大になります。
確かにそれは大変ですね。そういえば、プレスリリースにあった DR というのも専門用語ですよね?
DRというのはデマンドレスポンスのことで、電力の需給に合わせて消費者が電気の使い方を調整する仕組みです。Shizen ConnectはこのDR領域でも 市場シェア1位 を誇っており、採用する小売電気事業者のシェアを合わせると 36% にも達しているんですよ。
他のスタートアップや大手IT企業も、似たようなプラットフォームを狙って参入してきているんでしょうか?
競合はありますが、Shizen Connectはすでに 16社もの大手企業 と資本業務提携を結び、包囲網を築いています。業界全体がこのプラットフォームを共同利用してコストを下げる流れにシフトしており、デファクト化において一歩リードしている状況です。
競合を排除するのではなく、みんなを巻き込んで標準化していく。非常にスマートな戦略ですね。勉強になりました!


