プレスリリース要約
大林組は、鋼とコンクリートを組み合わせたハイブリッド構造のTLP型浮体式洋上風力発電施設の支持構造物について、日本海事協会から世界初となる基本設計承認(AiP)を取得しました。この新技術は、従来の浮体形式に比べて建造費を大幅に削減し、発電効率を向上させるもので、洋上風力の普及を加速させると期待されています。
大林組が開発を進める「TLP(テンション・レグ・プラットフォーム)型ハイブリッド浮体式洋上風力発電施設」の支持構造物が、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)より基本設計承認(AiP)を取得しました。今回の承認は、鋼・コンクリートのハイブリッド構造を採用したTLP型において世界初の事例となります。本開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「浮体式洋上風力発電の導入促進に資する次世代技術の開発」の一環として行われたもので、安全性と構造強度の評価基準を満たしていることが証明されました。
このハイブリッド構造は、鋼製部材とコンクリート部材を適材適所で組み合わせた点が特徴です。それぞれの部材を別々に製作し、運搬後に現地の組立ヤードで接合できるため、施工の選択肢が広がり量産化が容易になります。大林組の試算によると、一般的な鋼製セミサブ型の浮体形式と比較して、浮体建造費を約25%削減できる見込みです。また、海底から引張力を持たせて係留するTLP型の特性により、浮体の動揺が抑えられ、発電効率が約8%向上するほか、係留索の広がりを抑えて漁業活動への影響を最小限にとどめることができます。

Journalポイント
実はこれ、ゼネコンが持つコンクリートと鋼鉄の技術を掛け合わせることで、洋上風力のコスト構造を根底から変える発明なんです。
え、そうなんですか?コンクリートを海に浮かべるなんて、重くて沈んでしまいそうなイメージがありますが……。
実は今、日本の洋上風力は、遠浅の海が少なくて深い海に浮かべる『浮体式』にするしかないのですが、製造コストが非常に高いため普及が進まないという大きな課題があるのです。
でも、それってもともと鉄製で作るのが普通じゃないんですか?なぜコンクリートを混ぜる必要があるのでしょう?
ハイブリッド構造にすることで、部材を別々に作って現地で組み立てられるようになります。数字で言うと、従来の鋼鉄製に比べて浮体建造費を約25%も削減できる試算です。
なるほど、安く作れるのは素晴らしいですね!でも、海の上は風や波が強いですし、浮体が揺れて発電が不安定になったりはしないんですか?
その点もクリアしています。今回はTLP(テンション・レグ・プラットフォーム)型という、海底からピンと張った紐で固定する方式を採用しており、揺れを抑えて発電効率を約8%向上させています。
そのTLP型というのはどういう仕組みのことですか?あと、日本の海は漁業が盛んですが、漁場への影響も気になります。
TLP型というのは、海底の重りと浮体をワイヤーで強く引っ張り合って固定する仕組みのことで、これにより縦揺れを劇的に減らせます。さらに、ワイヤーが広がらないため漁業の邪魔になりにくいという利点もあります。
洋上風力は今とても注目されていますよね。他の建設会社やエネルギー企業も、同じような技術開発を進めているのでしょうか?
実は業界全体が浮体式洋上風力の実用化へシフトしています。その中で大林組は、NEDOのプロジェクトとして2028年の実海域実証実験を目指し、一歩リードした形です。
日本の厳しい海域条件をクリアして、再生可能エネルギーがもっと身近になる未来が見えてきました。とても勉強になりました!


