プレスリリース要約
博報堂の「界隈マーケティング研究プロジェクト」と美容メディア「Mimi Beauty」は、共同で実施した「美容界隈の実態調査」の結果を発表しました。生活者が「好き」を軸に形成する「界隈」のなかでも特に関心の高い美容領域に焦点を当て、購買行動や情報伝播のメカニズムを解き明かしています。
本調査は、全国の15〜44歳女性を対象に実施され、美容情報に関心のある生活者の意識や情報行動を基にクラスター分析を行いました。その結果、「①アクティブ美容垢」「②黙々重課金勢」「③多趣味なトレンド好き」「④ナチュラル美容層」「⑤トレンドフォロワー」という5つのクラスターが浮き彫りになりました。対象者の約7割が「美容界隈」や「美容垢」の存在を認識しているものの、自身を美容垢と自認しているのは、情報発信に積極的な「アクティブ美容垢」の層(半数超)に留まることが明らかになりました。
調査では、各クラスターの特徴に応じたアプローチ手法が提示されています。例えば、最も美容にお金をかける「黙々重課金勢」はSNS情報への不信感が強く、企業発の信頼できる一次情報を求めている一方、中心層の「アクティブ美容垢」は複数界隈のハブとして流行の発信源となっています。この「アクティブ美容垢」が発信したトレンドが、身内間でシェアを好む「多趣味なトレンド好き」を経由し、最終的に「ナチュラル美容層」や「トレンドフォロワー」へと波及していく「影響の連鎖」の構造が存在することが推察されます。


Journalポイント
実はこれ、美容界隈の流行が生まれてから広がるまでの「影響の連鎖」のルートが可視化されたのが非常に面白いポイントなんです。
え, そうなんですか?単にフォロワー数が多いインフルエンサーが流行を作っているわけではないのですか?
実は今、SNS上の情報は溢れかえっており、消費者は「誰が発信しているか」をシビアに見ています。今回の調査では、中心にいる アクティブ美容垢 のリアルな声が起点となり、段階的に他の層へ浸透していく構造が分かりました。
でも、それって昔からある口コミによるブームの広がり方と、本質的にはあまり変わらないのではないですか?
たとえば、最もお金を落とす 黙々重課金勢 はSNS情報をあまり信用せず、企業独自の一次情報を求めています。つまり、一律の口コミ対策だけでは、最も購買力のある層を取りこぼしてしまう可能性があるのです。
なるほど、ターゲットを十把一絡げにするのではなく、層ごとに情報の届け方を細かく変えなければいけないということですね?
その通りです。ハブとなる アクティブ美容垢 には本音で語れる場を提供し、トレンドフォロワーに対しては「流行っている感」を演出して安心感を与えるなど、クラスターごとのインサイトに刺さる施策が必要です。
美容以外の業界でも、このように「界隈」を意識した新しいアプローチは始まっているのでしょうか?
実はマーケティング業界全体が、従来のデモグラフィック属性から、趣味嗜好を軸にした 界隈マーケティング へとシフトし始めています。推し活やゲームなどの領域でも同様の分析が進んでいます。
なるほど、自社のターゲットがどの「界隈」に属しているのか、捉え直す必要がありそうですね。勉強になりました!

