プレスリリース要約
認定NPO法人SETは、岩手県の気仙地域(陸前高田・大船渡・住田)が連携した「気仙民泊」の広域受け入れを開始しました。震災から15年が経過し、震災を知らない世代の中学生たちが被災地の家庭と食卓を囲むこの取り組みは、単なる観光を超えた関係人口創出の新しいモデルとして注目を集めています。
認定NPO法人SETは2026年5月、岩手県の陸前高田市、大船渡市、住田町の3市町が連携する広域修学旅行民泊「気仙民泊」の受け入れを開始しました。これまで個別の地域で行われていた受け入れを広域連携へとシフトさせ、2026年5月中には宮城県や東京都の中学校3校から計464名の生徒を受け入れました。6月にはさらに1校を迎え、春シーズンだけで計576名の受け入れを完了する計画です。この広域連携により、受け入れ規模の拡大と持続可能な運営体制の構築を両立させています。
このプログラムは、東日本大震災後に生まれた世代である中高生が、震災を乗り越えた現地の家庭に1泊し、食卓を共にする交流型教育旅行です。現在、気仙全体で約100家庭が登録しており、今後は150家庭規模への拡充を目指しています。2026年度は春・秋合わせて計12校、約2,250名の受け入れを予定しており、陸前高田市の家庭を中心に、大船渡市のガルフ株式会社、住田町のすみた民泊協会が相互に連携して生徒を分散して受け入れる体制を整えています。


Journalポイント
実はこれ、単なる子ども向けの教育旅行ではなく、地方における 関係人口 を持続的に、そして爆発的に増やすための非常に戦略的な仕組みなんです。
関係人口って、最近地方創生の文脈でよく耳にしますが、定住人口や観光客とは具体的にどう違うのでしょうか?
関係人口というのは、移住した「定住人口」でも観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々のことで、地方創生の鍵とされています。この民泊は、まさにその入り口なんです。
なるほど、単なる観光客ではなく、地域に愛着を持つファンを育てるのですね。でも、1泊だけでそんな関係になれるのでしょうか?
そこがこのプログラムの強みです。実際に宿泊した生徒からは「また来たい」という声が相次ぎ、リピーターとして地域を再訪する流れがすでに実例として生まれています。
なるほど!ホテルではなく一般家庭の食卓を囲むという濃密な体験だからこそ、将来の 第2の故郷 のように思える深い繋がりが生まれるのですね。
おっしゃる通りです。今回は 年間約2,250名 という大規模な受け入れを行うため、将来的に地域を支えるファン層の母数を劇的に拡大させることが可能になります。
これは非常に面白い取り組みですね。他の地域でも、こういった複数の組織が組むアライアンスのような広域連携は進んでいるのですか?
アライアンスというのは企業同士の同盟や提携のことで、今回は3市町の家庭とNPO、地元企業が組んだ地域版アライアンスですね。現在、全国の自治体が模索していますが、民間主導でこれほど迅速に実現した例は極めて稀です。
行政の縦割りを越えて、民間がハブになったからこそ、このスピード感と規模で実現できたのですね。地方ビジネスのあり方として非常に勉強になりました!


