プレスリリース要約
バイオAIスタートアップのCraifは、北海道大学との共同研究により、尿中マイクロRNAを用いた婦人科腫瘍の早期発見に関する研究成果を発表しました。受診率の低さが課題である婦人科検診において、尿検査という非侵襲的な手法で高い診断精度を達成し、受診の心理的障壁を下げる技術として注目されています。
Craifは、第78回日本産科婦人科学会学術講演会において、「尿中エクソソームを用いた婦人科検診への応用可能性についての検討」を発表しました。この研究では、尿中の細胞外小胞(エクソソーム)に含まれるマイクロRNAを網羅的に解析し、機械学習モデルを用いて婦人科腫瘍の検出精度を評価しました。その結果、AUC(曲線下面積)0.937、感度85.6%、特異度94.4%という極めて高い診断精度を達成したとのことです。子宮筋腫などの良性疾患から悪性腫瘍までをカバーする、非侵襲的なスクリーニング手法としての実用性が示されました。
今回の技術は、従来の婦人科検診に伴う心理的・物理的ハードルを解消する可能性を秘めています。日本の婦人科検診の受診率は約40%にとどまっており、内診への抵抗感や医療アクセスの制限が背景にあります。Craifが開発を進めるこの手法は、尿を採取するだけという簡便さから、自宅での受診や大規模なスクリーニングプログラムへの導入に適しています。同社は独自の解析技術基盤「NANO IP®」とAI技術を融合させ、がんの超早期発見・早期治療を目指す検査サービス「マイシグナル®」を展開しており、本成果もその一環として社会実装が期待されます。
Journalポイント
実はこれ、尿の中に含まれるマイクロRNAというごく小さな物質を網羅的に解析し、それをAIでパターン学習させることで、病気の有無を判定しているんです。
え、尿の中にそんな情報が含まれているんですか?そのマイクロRNAというのは、具体的にどういうものなのでしょうか?
マイクロRNAというのは、細胞内にある遺伝子の働きを調節する非常に小さな分子のことで、がんなどでその量が変化します。今回はそれを機械学習、つまりAIの技術を使って、膨大なデータから病気のパターンを見つけ出しています。
なるほど、病気のサインをAIが見つけるんですね。でも、尿検査って簡易的なイメージがあります。本当にそんなに正確に診断できるものなんですか?
そこが今回の驚くべきポイントです。診断の正確さを示すAUCという指標で、1に近いほど優秀とされる中、今回は「0.937」という極めて高い数値を叩き出しました。感度も85.6%と、見逃しが非常に少ないレベルに達しています。
そのAUCというのは診断の正確さを示す指標なんですね。これほど高い精度であれば、今までの病院での内診の代わりに、この尿検査だけで済むようになるのでしょうか?
AUCというのは、診断の正確さを0から1の間で表す指標のことで、1に近いほど高精度であることを意味します。今回の検査はあくまで「スクリーニング」として使われ、尿検査でリスクが高いと判定された人が精密検査に進むという流れを作ることで、受診率向上が期待できます。
なるほど、まずは手軽な尿検査でチェックするわけですね。他のがん検診でも、このように尿や体液を使う技術開発が他社でも進んでいるのでしょうか?
はい、実はバイオテクノロジー業界全体が、体への負担が少ないリキッドバイオプシーという手法へシフトしています。Craifも「マイシグナル®」という尿がんリスク検査をすでに提供しており、今回の婦人科領域への拡大は、そのプラットフォームの強みが生かされた形です。
尿検査から始まる新しい医療の形が見えてきました。これなら心理的ハードルも下がって、多くの人が救われそうですね。勉強になりました!


