プレスリリース要約
リガク・ホールディングス傘下のリガクは、塩野義製薬、日本電子、明治薬科大学との共同研究により、鎮痛・抗炎症薬として広く知られる「インドメタシン」の新たな結晶多形(κ-form)を発見しました。長年研究されてきた主要医薬品における新結晶の発見は極めて稀であり、医薬品開発を効率化する成果として注目を集めています。
今回の共同研究では、リガクと日本電子が共同開発した電子回折統合プラットフォーム「XtaLAB Synergy-ED」を用いたMicroED法が活用されました。新たに発見された結晶多形(κ-form)は、結晶サイズが1マイクロメートル以下と極めて微小であり、従来のX線回折技術では構造解析が困難とされていました。しかし、最先端のMicroED法を用いることで、この極小結晶の構造解析に世界で初めて成功しました。さらに、結晶中の分子配列を調べることで、この結晶多形が安定化する分子間の相互作用も解明しています。
結晶多形とは、化学組成が同じであっても結晶の構造が異なることで、溶解性や安定性といった物理的・化学的性質が変わる現象を指します。医薬品開発において、結晶多形の違いは薬の有効性や品質、さらには製造プロセスの容易さに直結するため、極めて重要な研究テーマです。今回、長年研究されてきたインドメタシンから新たな結晶多形が発見されたことは、新薬開発における結晶探索の可能性を広げるだけでなく、既存薬の改良や品質向上、開発プロセスの大幅な効率化に寄与することが期待されています。
Journalポイント
実はこれ、長年研究し尽くされたはずの インドメタシン から、新しい結晶の形が見つかったという大ニュースなんです。
え、そうなんですか?インドメタシンって市販の湿布などによく入っている薬ですよね。まだ新しい発見があるなんて驚きです。
実は今、医薬品開発においては、同じ成分でも結晶の並び方が違う 結晶多形 をいかに制御し、最適なものを見つけ出すかが大きな課題なんです。
でも、それってもともと顕微鏡などで見分けたり、分析したりできなかったんですか?
たとえば、従来のX線を使った分析では、結晶の大きさが 1マイクロメートル以下 と極めて小さい場合、構造を解析することができませんでした。
なるほど!じゃあ、今回はどうやってその小さな結晶を解析できたんですか? MicroED という技術を使ったと聞きましたが。
MicroEDというのは電子線を用いて極小の結晶構造を解析する技術のことで、リガクと日本電子が開発した XtaLAB Synergy-ED という装置がこれを可能にしました。これにより、従来の限界を突破して構造を解明できたのです。
素晴らしい技術ですね!他の製薬会社や化学メーカーも、似たような技術を導入し始めているのでしょうか?
実は業界全体が、開発期間の短縮や特許網の強化に向けて、こうした 先端分析技術 の導入へシフトしています。素材開発のDX推進にもつながる動きです。
技術の進化が、薬の安全性や新しい治療法の発見を支えているのですね。とても勉強になりました!


