プレスリリース要約
日機装が開発したSiCパワー半導体向け高生産加圧焼結装置「3Dシンター」が、「第32回 半導体・オブ・ザ・イヤー2026」の半導体製造装置部門において優秀賞を初受賞しました。AIやEVの普及に伴い需要が急増するSiCパワー半導体の生産性・品質向上に貢献する技術として、業界内で高い評価を獲得しています。
日機装は2026年6月10日、産業タイムズ社が主催する「第32回 半導体・オブ・ザ・イヤー2026」の授賞式において、同社の「3Dシンター」が半導体製造装置部門の優秀賞を受賞したと発表しました。日機装が同賞を受賞するのは今回が初めてとなります。この賞は、開発の斬新性や量産体制の構築、社会へのインパクト、将来性などの基準に基づき、電子デバイス産業新聞の記者による投票で選出されるものです。今回の受賞は、同装置が持つ高い技術力と、今後の半導体市場における成長可能性が裏付けられた形となりました。
受賞対象となった「3Dシンター」は、SiCパワー半導体を基板へ接合する工程で用いられる加圧焼結装置です。日機装独自の「3Dプレス方式」を採用しており、特殊なゲル状の加圧媒体を用いて立体的にプレスを行います。これにより、高さの異なるチップや基板であっても、均一に一括で接合(シンタリング)することが可能です。従来の平面で加圧するメタルプレス方式と比較して、接合不良を防ぎつつ、極めて効率的かつ高品質な半導体モジュールの製造を可能にする点が大きな特徴となっています。

Journalポイント
実はこれ、半導体そのものではなく、それを組み立てる製造装置の分野で非常に大きなブレイクスルーが起きたというニュースなんです。
なるほど。最近ニュースでよく耳にするSiCパワー半導体に関する技術のようですが、従来の半導体と何が違うのでしょうか?
SiCというのは炭化ケイ素という素材のことで、従来のシリコンに比べて高電圧や高温に耐えられる次世代の半導体素材なんです。今回の技術は、そのSiCチップを基板に頑丈に『くっつける』ための新しい装置なんですよ。
なるほど、素材が違うんですね。でも、くっつけるだけなら、これまでの技術でも簡単にできそうな気がしますが?
それが実はとても難しいんです。SiCは非常に大きな電力を扱うため、接合部にわずかな隙間やムラがあると、熱で壊れてしまいます。さらに、高さが微妙に異なる複数のチップを同時に均一な圧力で押し潰して接合する必要があるんです。
高さが違うものを同時に、しかも均一な力で押し潰して接合するなんて、確かに難しそうですね。今回の装置はどうやってそれを解決したのですか?
そこで日機装は、特殊なゲル状の加圧媒体を使用しました。硬い金属で押すのではなく、柔らかいゲルを介して立体的にプレスすることで、高低差を吸収しながらすべてのチップに均等に圧力をかけることに成功したんです。
ゲルの柔らかさを活かす発想は面白いですね!これによって、やっぱりEVなどの性能も変わってくるのでしょうか?
EV(電気自動車)というのは、バッテリーの電力でモーターを駆動して走る車のことです。この装置によって高品質な半導体が安定して量産できるようになれば、EVの省電力化や航続距離の向上に直接貢献することになります。
製造装置の進化が、巡り巡って私たちの乗る車の性能アップに繋がっているんですね。とても勉強になりました!

日機装株式会社
- 代表
- 加藤 孝一
- 所在地
- 東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー22階
- URL
- www.nikkiso.co.jp
