プレスリリース要約

東大発ニューロテック・スタートアップのFastNeuraは、スマートウォッチ等で計測可能な「脈波」から、臨床的に重要な「心電図」を高精度に生成するAIモデルを発表しました。人工知能学会全国大会(JSAI2026)で公開されたこの技術は、日常的なヘルスケアや遠隔医療の精度を飛躍的に高める可能性を秘めています。

株式会社FastNeuraは、2026年6月に開催された「JSAI2026」にて、脈波(PPG)から心電図(ECG)を生成する新たなAIモデルの研究成果を発表しました。従来の技術では、心電図らしい波形は作れても、心拍タイミングや心拍変動(HRV)といった生理学的な整合性を保つことが困難でした。同社は、心拍間隔(RR系列)を中間表現として導入する「二段階構造」の生成モデルを提案。これにより、単なる波形の再現にとどまらず、心拍タイミングのズレを大幅に低減し、生理学的整合性の向上に成功したことを実証しました。

本研究では、1D U-NetやRectified Flowを用いた生成モデルを基盤とし、脈波からRR系列を推定するステージと、そのRR系列を基に心電図波形を生成するステージに分けて処理を行います。この技術は、同社が開発を進める生体適応型AIプラットフォーム「Sync OS」の基盤技術として位置づけられています。Sync OSは、脳波や心拍などのマルチモーダル生体データを解析し、人間の認知状態やストレス、疲労度などを推定するシステムであり、今回の成果によって、より日常生活に密着した低負担なデバイスでの高度な状態推定が可能になります。

Journalポイント

編集部

実はこれ、スマートウォッチをただ着けているだけで、心電図検査に近い詳細な自律神経分析ができるようになる可能性を秘めているんです。

え、そうなんですか?スマートウォッチで測る脈拍と、病院で測る心電図って、素人目には同じように心臓の動きを見ている気がするのですが、何が違うんですか?

読者
編集部

脈波は手首の血流量の変化を見ていますが、心電図は心臓の電気的な動きを直接記録します。心電図の方が圧倒的に情報量が多く、心拍変動(HRV)などの精密なコンディション分析ができるのですが、日常的に測定するのが難しいという課題があったんです。

HRVというのは何のことですか?それに、今までは脈波のデータからAIを使って心電図を作ることはできなかったのでしょうか?

読者
編集部

HRVというのは心拍変動のことで、心臓の拍動の間隔が微妙に変化する様子のことです。これが自律神経のバランスやストレス状態を測る指標になります。実は、これまでもAIで脈波から心電図を作る試みはありましたが、心拍のタイミングがズレてしまい、正確なHRVが測れないという問題があったんです。

なるほど!波形の見た目だけでなく、心拍のタイミングまで正確に再現するのが難しかったのですね。今回の FastNeura の技術は、そこをクリアしたということですか?

読者
編集部

その通りです。彼らは「二段階構造」という工夫を凝らし、まず脈波から心拍間隔(RR系列)を正確に予測し、それをベースに心電図の波形を生成するモデルを開発しました。これにより、心拍のタイミングがズレない生理学的に正しい心電図の生成に成功したんです。

すごいですね!この技術は、医療現場だけでなく、私たちの日常のどんな場面で使われるようになるのでしょうか?

読者
編集部

たとえば、スマートウォッチを通じた日常的なストレスのトラッキング、運転中の疲労検知、遠隔医療でのモニタリングなど、幅広い応用が期待されています。同社の生体適応型AIプラットフォーム『Sync OS』を通じて、様々なデバイスへの搭載が進むと見られます。

手首にスマートウォッチを巻いておくだけで、そこまで精密に自分の体調やストレスが分かるようになるなんて、本当に楽しみですね。勉強になりました!

読者
株式会社FastNeura ニュース要点の図解

株式会社FastNeura

代表
水口成寛
所在地
東京都文京区本郷5丁目30−18 203号室
URL
fastneura.com

この企業とつながりたい方、興味がある方はこちらから

Connect Journalでは、掲載企業へのおつなぎ・詳細情報のご提供を行っております。
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ